静岡県では、「フーズ・ヘルスケアオープンイノベーションプロジェクト」を推進しています。

プロジェクトを取り巻く環境

社会的背景

(1)少子高齢化の進展
本県の出生数は減少傾向が続いている一方、高齢化率は県内市町村全てで20%を超えています。国による統計でも、高齢化率は上昇し続けています。

(2)世帯構造の変化
単独世帯の増加傾向が顕著となり、高齢化の進展から世帯主が75歳以上の世帯は、2035年には2010年と比較し、約16パーセント増加することが推計されています。

(3)機能性食品へのニーズの高まり
生活習慣の変化や高齢化に伴い、フレイル状態となる人が増加しており、予防や未病対策への注目が高まっています。本県企業は科学的根拠により機能性を表示できる「機能性表示食品」113品目を国に届け出ており、全国の届出品目件数の3割以上を生産しています。

(4) AI、IoTなどの新技術の進展
食品や化粧品、加工機械産業分野においても、蓄積されたデータを解析することで、顧客データとニーズのマッチングや、新たな付加価値製品・サービスの開発、工場等の生産管理につながることが期待されています。

(5) 注目が集まるヘルスケアマーケット
高齢化や働き世代の生活習慣病などが増加する中、生活改善、予防サービス、美容、生きがいづくりの推進など、様々な観点から「ヘルスケア」への取組が人々の関心を集めています。

(6) ライフスタイルの変化
ライフスタイルの変化は人々の食生活にも大きな影響を及ぼし、加工食品の購入率と消費額は増え、外食のほか中食(惣菜や調理済の食品を家で食べる)の比率も増加しています。

(7) 海外市場の急激な成長
世界の食料需要は、人口増加や経済成長に伴い増加する見込みです。中でも、和食人気の高まりは著しく、海外における日本食レストランの店舗数は10 年で5 倍に増えています。

(8) バイオテクノロジーへの関心の高まり
バイオ戦略2019 では、食のニーズの多様化などが述べられており、次世代の課題解決に食が重要な位置を占めることが示されています。さらに、完全資源循環型の食料生産システムの開発、食料の無駄を無くし、健康や環境に配慮した食料消費などの開発を目指しており、代用肉の研究など、食分野にも未来を見据えた技術革新が起きています。

静岡県の地域資源

(1) 全国トップクラスの健康寿命
本県の健康寿命(健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間)は、過去3回(平成22 年、25 年、28 年)の平均値において男女共に全国第2位であり、全国トップクラスの健康長寿県であると言えます。

(2) 多彩で魅力ある静岡県産農林畜水産物
温暖な気候に恵まれ、駿河湾等の豊かな漁場を持ち、大消費地にも近接する本県は、439 品目(県調査)もの多彩で高品質な農林畜水産物を産出しています。全国トップクラスの産出量や額を誇るものが豊富にあり、茶、温州ミカン、ワサビ、カツオなどは全国的にも有名です。

(3) 豊富な水や温暖な気候、首都圏に近い交通アクセス
日本のほぼ中央に位置する本県は、陸・海・空の交通インフラが整備され、東京、名古屋、大阪の日本三大マーケットをはじめ、国内各地、アジア地域へのアクセスにも大変優れた立地環境にあります。

(4) 地域を支える大学や研究所等、知の拠点の集積
食品やライフサイエンス分野で優れた研究実績を持つ大学・研究機関が多数立地しており、
先端的な機能性食品などの研究開発、国際的に通用する高度な人材の育成が可能な地域です。

〈大    学〉静岡県立大学、静岡大学、東海大学 等
〈試験研究機関〉県工業技術研究所、県農林技術研究所、県畜産技術研究所、県水産・海洋技術研究所 等

kenritu

★静岡県立大学

sizudai

★静岡大学

toukai

★東海大学

kennkyuujo

★県工業技術研究所

(5) 多彩な企業群の集積
本県の食料品・飲料等製造品出荷額等は、2兆2,894 億円で全国2位、付加価値額は8,572 億円で全国1位となっています。また、化粧品の生産金額についても、全国5位でトップクラスです。

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